読書2つの効用

  

今日はある若い夫婦と話す機会があった。その時、読書の効用が話題になった。私自身感じることだが、読書の目的が情報、知識を得ることに集中している。それはそれで必要性のあることなのだが、読書の効用はそればかりではないのではないか、という話になった。それでは情報、知識を得ること以外の効用とは何だろうか。話していくうちに、それは他の人の人生について知り、それを自分の生き方に役に立てることではないか、というところに落ち着いた。本を通じて昔の人の人生を知ることができるし、また遠く離れた国の人の人生を知ることもできる。そう考えると確かに思い当ることがある。私自身自分の生き方については2000年前のイエス・キリストの人生から多くの影響を受けた。それも聖書という本があればこそだ。江戸時代の人々の生き方を本を通して教えられた。鈴木正三、上杉鷹山、横井小楠、由利公正・・・。そして近くは「夜と霧」のフランクル、宮沢賢治・・・。

読書を通じて人生を学ぶ。いろいろな人生があることを私たちは知ることができる。自分自身の人生、生き方を完成させるために読書が果たす効用は大きいはずだ。この若い夫婦は娯楽的な目的で読書をしていたようだ。「人生の見方を広げるための読書ですか。私たちもそのような読書をしてみることにします」「それは私たちもそうですよ。今度また会う時にはそんなことも話題にしましょう」読書の効用にはもう一つありそうだ。読書会を持つことができる。本は一人で読むものという意識があるが、一緒に読んで感想を出し合うというのも楽しいだろう。私たちは読書の醍醐味をもっと味わいたいものだ。