身の回りのビジネスモデル 1000円セットコース

 

会議の後によく行く中華料理店がある。暫く前は夜は空いていて、静かな雰囲気の中で飲んだり、食べたりしながら話ができた。ところが最近2回程、会議の後の2次会で行ったところほぼ満員の盛況だった。大変な様変わりだ。メニューを見ると飲み物と料理2皿で1000円、ということなので、今晩は試しにこれで行きましょうということで頼んだ。さてジョッキのビールの後、出てきた皿を見たら小皿を少し大きめにした皿で、結構な量だ。3人で1000円コースを注文してそれぞれ別々のものを選べば6種類の料理が食べられる、という寸法になる。私達は3人連れで行ったが、3人とも「これはお徳感がある」と同意見。結局話が弾み出すと、ジョッキを追加注文し、料理もそういうことになる。

1000円でお客を引き付けておいて、最終的は1500円、2000円・・・にするというのがお店側の目論見であり、期待なのだろう。余計なことだが、3人で意見を出し合った。

Aさん この1000円セットはお値段以上だ。だからお客がこんなに来るんだ。

Bさん この1000円セットの損益分岐点はどのあたりかな。1000円だけではトントンではないか。1000円を越してから利益が出てくるのではないか。

Cさん 1000円セットでスタートし、1500円、2000円迄行くお客はどの程度

いるのか

私達3人が払ったのは一人頭1500円だった。大体は2000円ぐらいまでいくのでは

ないか。1人1000円のセットメニューの隠れた効果もあると思う。そこにビジネスモ

デル的要素がありそうだ。

第一はランチで使い遺した食材を、夜無駄にしないで活用できる

第二はお店の夜の回転率を上げることができる。1000円セットであれば食べたり、飲

んだりするのにそれほど時間がかかる訳ではない。2回転、場合によっては3回転もある

のではないか。私達3人が1500円で店に居た時間は約1時間だ。

第三は1000円セットは仲間同士で行くには丁度良いのでグループ客が見込める。

第四は安い価格ということであればお客のリピート回数が多くなる

閑散としていたお店が満員御礼となっている。1000円セットメニューのビジネスモデ

ルの力だ。身の回りでの新しいビジネスモデルがドンドン生まれてくるような気がしてな

らない。いや、身の回り、身の丈のビジネスモデルこそ求められている時代なのだ。