農業の活性化策・ビジネスモデル的提案

 

今日の夕方、H社のI社長と農業の活性化策についてブレスト・ミーティングを持った。私が作成した活性化策、3つの案の内、①都市と農村の対流・第二の故郷づくり②都市農業の振興について集中的に情報とアイデアを出し合った。現在多くの企業が農業分野で新規事業を立ち上げようとしている。起業家であったり、会社の新規事業としての取組みであったりさまざまだが、採算レベルまでなかなか持っていけないという問題を抱えているようだ。ラディッシュボーヤとかオイシックスのような成功企業もあるが、それらを第一世代とすると、これから農業分野にビジネスとして取り組む企業は第二世代に属すると私は考えている。第一世代の会社はそれぞれ今迄商品として扱われていなかった格落ちの野菜を扱ったり、市場に出ていなかった魅力的で美味しい野菜を発掘した。いずれも商品としての野菜を「再定義」して、範囲を拡げた。農家との信頼関係を地道に創り上げてきた面も見落としてはならないだろう。先週のTV「夢の扉」ではヴェジ・プロバイダーの加藤百合子さんの取組みが紹介されていた。元ロボット研究者らしくITを徹底的に活用している。さて、それでは第二世代の企業にとっての課題とは何だろうか。ビジネスモデル的には以下の5つの要素が必要になってくるのではないかと私は考えている。

1.食物は人間が消費する商品の中で一番安全性に注意すべきものである。そのためにも

生産者と消費者の「見える信頼関係」が必要である。

2.これからの時代、商品は「半商品化」する。商品は生産者と消費者が一緒に創り上げていくものとなる。

3.今迄生産から販売迄農業の全過程に関わっていた農協(JA)の役割を肩代わりする

流通組織が必要になるが、今迄のいわば古いタイプのミドルマン的中間流通業者では

肩代わりは難しい。現在第二世代の企業の中で、この中間流通を短く、低コストにして農家と販売業者・消費者との効率的なマッチングシステムをつくることを模索しているところが多くあるが、モノの流通の中だけで採算を確保し、成長していくのは容易ではないと思われる。モノの流通だけでなく、人と人との対流、コトの企画、場の価値の交流がこれからは必要になってくる。つまりそのためのシステムの構築が求められている、ということになる。運営会社はモノの販売手数料収入ではなく、システムの使用料をプロフィットモデルにする。

4.これからの10年間で農業現場から100万人の農業者が姿を消すと予測されている。

現在に農業労働人口が約250万人だからおよそ40%の人口減ということになる。

需給バランスが大きく変っていくが、それがどの程度の影響を与えるか予測がつかないが、一つ言えることはこれからの時代は消費者も生産に一部を担わなければならない、ということだ。消費者教育が重要な仕事になる。

5.農業を観光事業の一部と位置づける。最近はこのような事例も増えてきたので、更にレベルアップを図っていく。特にシニア層が主要顧客となる。