都市型コミュニティのビジネスモデル

 

私が屋上菜園ガーデンの事業にライフワークとして取り組んでいるのは何のためか。折に触れて考える。自分に対する説明は2つだ。一つは屋上菜園ガーデンを都市の住む一人でも多くの人達に楽しんで頂きたい。そのためには簡単に、誰でもできる野菜・果樹の有機栽培、簡単にできる芝生の管理方法の開発が必要だが、既にこれらは当社の技術と工法で可能となっている。もう一つは都市型コミュイティーの実現だ。これが現在の私にとっては大きな目標、そしてモチベーションになっている。都市型コミュ二ティーについては最近論議が活発になってきているので、今後そちらの方も視野に入れていきたいが、私が考えているのは、都市型コミュニティの発生と形成の場として、またコンセプトの内実として屋上菜園ガーデンが「場」として機能するのではないか、ということだ。アメリカの社会学者マッキーバーの言葉を使うならば、屋上菜園ガーデンはアソシエーションであり、その一部は共同体化すると私は考えている。そしてこの共同体は村落的生活共同体というより精神的、使命的共同体ではないかと思う。一定の(社会的)目的のために異質な、独立した個人が互いにつながっていくのが、アソシエーションと考えると、以下のような仮説も成立しそうだ。

1.アソシエーションは目的思考型機能集団であるが、その人間関係、信頼関係が深まる

ことによって、共同体化していく。

2.都市の場合は通常考えられているようなコミュニティーからアソシエーションの発生

というパターンだけではなく、アソシエーションの一部がコミュニティーに深化・転化する可能性を常に持っている。

3.アソシエーションとコミュ二ティーの転化・循環構造こそが都市コミュニティーのビジネスモデルではないか

4.このようなモデルは日本の企業の特質の中心部分にもあるのではないか。そしてそれが日本企業の強みにもなっているのではないか。