限界集落株式会社(上)畑の許す力

今日は外でミーティングを持っていたが予定通り終えることができた。帰宅したら丁度NHKテレビの限界集落株式会社の最終回が始まるところだった。今回は殺虫剤を誤って使用した鉄平の処分が最大の山場となった。正登は多岐川、美穂と一緒に記者会見に臨んだ。社長の美穂が多岐川の書いた文面を読み、声を詰まらせると正登は美穂からマイクを取り上げて言った。鉄平の処分はしない、と。「自分達農家をやっていると失敗ばかりで、俺も死んだ親爺も失敗ばかりです。・・・何度失敗しても畑は許してくれます。最後は許してくれる。それが畑です、それが農業です」「もしそこで失敗を許せないヤツは農家じゃない、自分達の仲間の鉄平を許せなかったら、畑をやる資格がないと思います・・・皆分ってくれると思います。 ・・・野菜で失った信用は少しでもいい野菜をつくって取り戻します。・・・今の自分達にとって必要なのは何よりも人です」

記者団の前でそのように言い切った正登は菅原限などの先輩農家の面々に「勝手なことを言って申し訳ありません」と頭を下げる。その様子を見て美穂も慌てて頭を下げる。そのような正登に対し菅原 源は言う。「バカか、ただ言っていることは間違ちゃいねえ」この「バカか」は菅原の「良く言った、それにしても後先を考えないで」という意味が込められた褒め言葉だ。菅原は正登を頼もしく思ったことだろう。鉄平は先輩農家に向って真剣な面持ちで頭を下げる。「ただもし本当にチャンスをもらったら無駄にしないようにするから、先輩」。そんな鉄平の背中に美穂は手を伸ばし抱きかかえるようにした。限界集落には若者が少ない。きっと美穂は鉄平が好きなのだ。

最後に正登は締め括る。「まだ負けると決まったわけじゃない。全員力を合わせて頑張ろう」

正登は初めて多岐川の自宅を訪問し、多岐川のもう一つの面を知る。多岐川は「自分のやり方は通用しなかった」と言うが、正登はそれに対し「3年前は皆諦めていたがあんたのお陰で何とかなると思っている」と受ける。

一旦は畑を捨てた正登がこの畑で働き続ける、この集落で生きるということを決意し、それを先輩農家も含めて皆が認める。

この正登の決断を最終的に生み出したのは何だったのか。亡くなった父親がつけていた失敗と挑戦の農事日誌だったのだろうか。今回のブログを上として中、下でそのあたりを考えていきたい。