静まる時間、考える時間

一日の中で、心を静める時間をどれだけ持っているだろうか。いろいろなことに思いを巡らし、その中で今日何が一番大事なことなのか、ゆっくりと時間をとって考える。あるいは自分の気持、さらには心と向き合う。静まりにくい自分に優しく接し、波立つ気持、揺れ動く心が落ち着く迄、深呼吸しながら待つ。あるいは先ほど話を交わした相手のことを思う。私の言葉を聞いて、あの人はどんな風に感じたことだろう。あのような話し方で良かったのだろうか。静まる時間、考える時間をもう少し持つことができるようになったら、私の生活も、私自身ももう少し豊かに、潤いのあるものになるのではないか。「忙しい」という言葉で私たちは言い訳をしているのかもしれない。ところで本当に忙しいのだろうか。確かにそのような人もいることだろう。しかし多くの人は敢えて忙しくしているのかもしれない。特に現在のようなネット社会では、スマートフォンを見たり、I-Padを見たり、パソコンを見たりして、情報の海の中を場合によっては惰性で漂うことになる。そして時間を意味もなく費やし、結局は忙しくなってしまう。このような超高度情報化社会では、人々は「検索人間」となり、自分の頭で考えなくなる。人間にとって大切なことは真実を知ることであり、創造することであると私は考えている。静まる時間、考える時間を回復し、確保することの価値と必要性を強く感じる今日この頃だ。