頭の中を整理する作業を2人で行なう

私自身時々「一人会議」をやる。一人会議と言っても何か一人事をぶつぶつ呟くのではなく、自分の中にもう一人、場合によっては2人を設定する。自分がAとすればBは批評者、Cは2人の話を聞きながら、コーディネーションをするという役回り。このような「一人会議」を始めたキッカケは自分が独りよがりの発想、考え方をする傾向が強いと思ったからだ。ブレーキを掛け、水を差してもらう必要がある。ただそれで留まってしまっては前に進めないので、誰かもう少し、大所高所からアドバイスなり、ヒントを与えてくれる大人の考え方ができる存在が欠かせない。私はこの方法を弁証法の正反合から着想した。さてこの「一人会議」は随分前からやっているが、最近その回数が増えてきたように感じる。また会議の様子もかなり変ってきた。以前の会議は雰囲気がやや興奮気味だったが最近は平穏になってきた。ただ、本当に会議らしい会議になってきたように感じる。会議が楽しく、生産的になってきた、と言ったら良いだろうか。

さて自分の中の一人会議は畢竟自分との対話、ということになるが、最近ある会社のX社長と「二人会議」を持った。2時間程の会議だった。この会議にあたって私は4枚のシートを準備した。X社長はこれからある重要なプロジェクトに取り組もうとされている。まずはポイントを押えながら、深く、将来の展開も考えて、これからの取り組みを考えていくことが大事だ。アイテム毎にA4 1枚。4枚のシートのタイトルは以下のようになった。

1.プロジェクト自体の検討アイテム 2.マネジメントの検討アイテム 3.チームビルディング検討アイテム 4.留意アイテム

会議の目的は会議の参加者が自分の意見を出し合い、相手のアイデアに自分のアイデアを加えたり、相手が自分のアイデアに化学反応したりすることが第一段階。暫くは分散思考の状態。突飛な意見、アイデアが自由に出てくるような雰囲気が大切だ。次の段階は収束段階。分散と収束のパターンを何回か繰り返しながら、アイデアの濃度、斬新性を高めていく。つまり凝縮、結晶化プロセス。これがキチンとできれば本当に行動すべきこと、アクションの具体的内容が見えてきて、その結果もイメージできる。これが第三段階となる。

「二人会議」の良さは主導権争いをしなくてもいい、という安心感だろうか。3人以上になると無意識の内にそのような気持ちが出てくるとも限らないからだ。