顧客を決めて顧客の視点に立つ
ビジネスモデルのデザインをする場合、まず最初に行なう作業はその商品を買う可能性の最も高い顧客を特定することだが、それは商品の価値提案を常に意識して行なわれる。と同時に価値提案は「時流」によって大きく影響を受けるので、時流認識が必要になってくる。ところで時流の認識はどのように行なうのか。流行と時流は重なる部分もあるが、時流の場合は波頭的に表面に現れている流れだけでなく底流がある。時流を正確に認識するためにはいろいろな出来事を「編集する」ことが大事だ。時流、顧客、価値提案の三角形の中で顧客像、価値提案を絞り込んでいく。この場合ポイントになるのは顧客と価値の必然的関係を明確にすることである。なぜ顧客はこの商品を選ばなければならないかを、納得できるまで突き詰める。それが顧客の視点に立つ、ということだ。それは殆ど「インサイト(洞察)」だと言ってもいい。この三角形が出来上がれば、後は主要活動、パートナー、顧客との関係、チャネル、リソースなどの検討になる。最後に一番重要な利益だが、この場合利益とは価値提供に見返りであり、価値提供の利益への変換の効率性によって高くもなるし、低くもなる。利益の発生点を見極め、利益モデルをしっかり確立することが重要だ。価値を利益に最大限転換する。ビジネスモデルのまさに「肝」になるところである。