2015年度の予算案の閣議決定に寄せて

今朝の日本経済新聞で来年度予算を説明している。国の収支を一般家庭の家計に例えている。分かり易く身近に感じられる説明だ。この例えでは1兆円を10万円に置き換えている。

収入は以下のようになる。

夫の年収(税収)        545万円

妻のパート収入(副収入)     50万円

小計          595万円  *(支出総額)964万円

銀行からの借金(新規国債発行) 369万円  *(借金合計 1億円)

合計          964万円

 

支出は以下のようになる。

おじいちゃんの医療費など

(社会医療費)         315万円

その他             259万円

小計          574万円 *生活費

*生活費の中には自宅の耐震工事

(公共事業費)60万円と警備システム

(防衛費)50万円も含まれている

郷里への仕送り

(地方交付税)         155万円

ローン返済(国債費)      235万円

合計          964万円

 

この例えから見えてくることがいくつかある。

1.第一はこの家庭は貯蓄もできない、食べるだけで精一杯

2.返済のメドが立たない多額の借金を抱えている

3.収入の面で言えばお父ちゃんの稼ぎ次第だが、定年間近の年齢になっていて今後の

増加は余り期待できない。最悪でも現状維持で行ってほしいところだ。

4.息子達(行政機構の職員も含め)がまだ自分で稼がず、親のすねを齧り続けている

5.住んでいる家も古くなり、修理代、リフォーム代も馬鹿にならない

6.借金を返すために借金をしている。いつまで経っても借金地獄から抜け出せない

 

こんな家庭だが、お父さんの知り合いの信用金庫が無担保で、また厳しい催促もしないでおカネを貸してくれている。しかし最近では信用金庫の中でも「いくらなんでもやり過ぎではないか」という声が出ているとのことだが、ちょっと変った理事長のツルの一声で大事にならないでやり過ごしている。

今後どうなるか。やはりおじいちゃんの医療費が一番大きいので、病院に行く回数を減らしてほしい、身体が動くうちはなんでもいいから働いて収入を得てほしい、そうすれば年金減額があっても何とかやっていける・・・とお父さんもお母さんも口うるさくおじいちゃんに言うはずだ。

敗戦後、日本の復興のために粉骨砕身してきた自分達は一体何だったのか、おじいちゃんは涙を浮かべながら呟く。「生きていてもいいことはないかもしれない」