4年ぶりの再会

知人Mさんに暫く振りで会った。4年ぶりになるだろうか。Mさんは中小企業の経営者だ。現在小さな会社を経営している。当初は父親が創業した会社を継ぐ予定だったが、いろいろなことがあって、そうはならなかった。私も似たような経験をしたので、Mさんが味わった苦衷がおおよそどんなものだったか、よく分かる。さぞ大変だったことだろう。

以前私は縁あってMさんの会社の商品の販売を手伝ったことがある。それだけではなく積極的に関連商品、周辺商品の開拓にも取り組んだ。その際、2つの点について私はMさんに提案した。

私の提案は、簡単に言えば以下だった。私なりの経験に基づくものだ。

1.現在の商品の新しい用途を開拓する(現在の商流とは別に新しい商流をつくる)

2.新商品は本業の商品と地続きの商品とする(本業と関係の深い商品を見つける)

最初の内は概ねこの線で進んでいた。1は環境分野での用途開発に的を絞った。グリストラップ浄化とアオコ対策。相手が企業、自治体、官公庁だったので、訪問してプレゼンしたが、日本での実績データに乏しいため、具体化するまで時間がかかった。一方2についてMさんは、豊富な人脈を通じて周辺商品の候補となるようなものを次から次へと見つけてきた。また中国での販売も目指して拠点づくりを進めた。またインターネットを使った通販も始めた。Mさんを支えるチームの一員として私自身営業のお手伝いをしてきたが、ある程度のメドがついたということで、チームは解散となり、私もお役御免となった。十分な成果を私自身出すことができず、正直、残念な、苦い思い出となった。

その後、私は中小零細企業、ベンチャー企業が頭角を現すためには商品の良さ、営業努力だけでは難しいことを痛感して、ビジネスモデル研究への道を歩き始めた。

今回の再会を機会に、私はMさんの現在の会社の業務内容について伺った。現在は海外の仕事がメインになっているとのこと。私自身の現在の仕事についても近況報告をした。お互い平坦な道を歩いてきたわけではない。Mさんの中国での仕事はパートナーの問題などでうまく行かなかったようだ。現在は台湾向けに商品を出しているとのこと。Mさんは日本国内での事業の拡大を目指している。かつては、私はMさんのお手伝いという立場だったが、もしこれから何か一緒に仕事をすることができるなら、パートナーシップに基づいてやることになるだろう。もしそういうことになれば、お互い人生の集大成のような仕事になるだろう。人生の縁の不思議さを感じる。