8月・テレビの戦争特集に思う・広島電鉄

NHKで原爆投下直後の広島で路面電車を復旧させるドラマを見た。実話に基づいた番組だった。戦時中、戦線に送られた男性の運転手の代わりに十代の女子が路面電車の運転手になり、車掌になって電車を走らせていた。そんな時代があったのだ。そこに原爆が落とされた。原爆で傷ついた仲間が死んでいく。死体を火葬場に運んでいくのも少女たちの務めだった。多感な少女達にとって苛酷過ぎる体験だ。

阿部寛演じる広島電鉄の技師が路面電車を走らせるため変電所の復旧に、原爆にやられた部下と一緒に、それこそ不眠不休で取り組む姿が胸を打つ。そして少女達は原爆投下直後の広島で路面電車を走らせる。どれだけ広島市民を勇気づけたことだろうか。

戦争は人々の日々の暮らしを破壊し、夥しい命を奪っていく。そして若い人たちの夢と希望も。ドラマの最後で、当時路面電車を運転していた女性が紹介されていた。80代後半だろう。お2人の話を聞く会が開催されていた。

日本は二度と戦争をしてはならない。また引きこしてはならない。