LUSHのビジネスモデル

 

LUSHというハンドメイドコスメの店がある。家の近くの駅のプロムナードに出店して

おり、毎日その前を通っている。以前花屋が入っていたところにLUSHが入った。東武

東上線の池袋駅の側にもあり、その前もよく通る。販売の女性達が長くて黒いエプロンを

つけているのが印象的で、商品の香りというか、私にとっては臭いが通路まで漂ってくる。

私にとってはその程度の認識だった。ところが仕事の関係であることを調べていて、LU

SHのことを詳しく知り、正直びっくりした。「これはスゴイ!」というのが資料を読んだ

後の私の率直な感想だった。

1.同社は顧客との接点づくりにマス媒体を使った広告宣伝活動は一切行なわない。また市場調査もしない。

2.接点づくりは店頭での接客とWEBのダイレクトコミュニケーションを併用している。

時間はかかるが、人づてが一番効果がある、というのが同社の信念だ。

3.同社は自社でフリーペーパー「LUSHTIMES」を発行し、店頭のラックに入れ、

だれでも手にとることができるようにしている。(私も近くの店で一冊手にいれて読んでみた。VOL.51 SPRING ISSUE。A4版よりちょっと大きめで55ページ。読み応えがある。記事の内容が多彩で、楽しい。そしてお役立ち情報が満載だ。主要顧客の女性たちはきっとこの「LUSHTIMES」の発行を楽しみにしていることだろう、と思わせるものだ)

4.同社はフレッシュハンドメイドのブランドで、「新鮮」「手作り」「安心」「愉快」をブランドのアイデンティティにして、200種類のスキンケア製品、ヘアケア製品、ソープ、入浴剤を販売。特徴の一つは製品のネーミング。「天使のやさしさ」「みつばちマーチ」「果草力」「信じる気持ち」「安心の鼓動」「賢人のまなざし」。「強い意志」「原動力」「自立」というやや堅めのネーミングもある。それにしてもユニークだ。社員皆でアイデアを出し合っているのではないか。楽しそうだ。

5.LUSHの優れたところはさまざまなイベントやキャンペーン活動を通じて顧客との

関係づくりに力を入れている。「お店探検隊」「ただいま便」「フォーラム」そして消費者主導のコミュニティ、「LUSHラブ」

 

LUSHはオーガニック、エコ、コミュニティ、ソーシャル・テクノロジーの時代に生ま

れたビジネスモデルを実装した新しい会社だ(1994年英国で誕生)。同社のビジネスモ

デルは当社の屋上菜園事業にとっても非常に参考になる。LUSHのような会社がドンド

ン出てくると資生堂のような大手もウカウカとはしていられない。ビジネスは結局は、顧

客一人一人をしっかり捕まえられるか、関係を深めることができるかどうかだ。そこにか

かっている。