仕事と作業

仕事と作業は確かに違う。最近そう思ったのは有楽町の、最近人気が出てきて行列ができるようになったラーメン屋でラーメンを食べた時だった。このラーメン屋は2年前ほどに開店した。本社が和菓子屋とのことで味付けが和風だ。開店早々、まだお客がついていない時に私は味が気にいってしばしば食べにいった。店主はこの味が受けるかどうか、ちょっと不安気だった。私には新鮮な味付けでチャーシューもとろけるように柔らかく、これは間違いなく受ける、と思った。その後、しばらく足が遠のいていた。最近時々寄ってみたが、いつも行列ができていて、待つのもどうかと思い、食べずしまいだったが、今日午後4時頃たまたま寄ってみたらすぐ座れたので、久しぶりの和風ラーメンを期待しつつ待った。ところが食べてみた感想は、?だった。前の味はどこに行ったのだろうか、また沢山のお客さんを捌くためか、ラーメンのスープもちょっとぬるい。

お店が流行り、お客さんが押しかけるようになるのは、飲食店にとっては良いことだが、いままで「いい仕事」をしていたのが、どこか機械的な作業のようになっている。いつかこの反動がくるのではないか。努力、苦労、創意工夫、つまり仕事の結果、お店が繁盛し始めた時こそ、作業を仕事に戻すことが必要ではないか。