日本型ビジネスモデル事例研究セミナー最終回

 

今回で6回シリーズの最終回。今回は最後ということもあり、日本型にカスタマイズしたビジネスモデルキャンバス9ブロックに日本型の3ブロックを加えた、カスタマイズしたキャンバスを参加者の皆さんに配布して、説明。次はビジネスモデルの創り方について、3つのコースについて表を使った説明した。コンパクトコース、スタンダードコース、フルコース。スタンダードとフルは「ビジネスモデルジェネレーション」(BMG)をベースに紹介した。なお今回コンパクトコースを紹介したのは以下の理由による。

1.BGMのプログラムーに基づいてビジネスモデルをつくるにこしたことはないが、時間的、費用的、人材的に制約があり、無理がある中小企業、零細・自営企業の場合はなかなかそうもいかない。大きな売上、利益は見込めなくてもビジネスモデルのデザインにあまり時間をかけず、またビジネスモデルの成果も比較的早く出るようなやり方も必要では」ないか。

2.コンパクトコースは「ビジネスモデルをつくってみよう。面白そうだ」気軽にそんな気持にさせるような簡易バージョンだ。

コンパクトコースについてはBGMを離れて考察したものを紹介した。これは身の回りのビジネスモデルづくり、と言っても良いだろう。

最後に江戸時代の藩の財政改革成功例を2つ紹介した。上杉藩の鷹山による財政改革、もう一つは備中松山藩の山田方谷による財政改革。江戸時代、各藩は10割自治、自己責任原則の下、経済的破綻と戦いつづけなければならなかった。軍事的合戦ではなく経済的合戦の時代に移行していた。経済的合戦は領民も巻き込んだ全藩の改革運動と言う様相を帯びる。そのためには当然藩主の心構えも変らなければならない。上杉鷹山は藩主である己と領民とを同等の人格と位置づけていた、とのことだ。方谷は義利の思想に基づいて改革を推進、成功させた。そして2人とも大商人が持つ「経済合理性」も良く理解していた。ここで私たちが学びたいことは、ビジネスモデルの実現者の人間性である。例えビジネスモデル自体がどんなに優れていても、それを実施する人間の側に問題があると成功はおぼつかなくなる。

少し休息期間を頂いた後、今回のセミナーを何かテキストのようにまとめたいと思っているところだ。